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労働環境

福島第一原子力発電所の労働環境はどうなっているのでしょうか。多くの方のイメージは、常に防護服(白い服)に身を包みマスク(全面マスク)をして、やもすれば身体を壊しかねない大量の放射線を浴びる場所、そんなイメージではないでしょうか。

確かに原子力事故当時は、まさにイメージの通りです。作業員の方々だけではありません、消防・自衛隊の方など応援に駆けつけてくださった方もそうした労働環境とすら呼べない場所で事故収束に携わりました。

あれから6年半が過ぎ、そんな場所だった福島第一原子力発電所はごく普通の方が持つイメージと比べると、大きな変貌を遂げています。

現在福島第一原子力発電所で働く人達は1日、約5500人にもなります。そのうち半分は、原子力事故に被災した福島県の地元(浜通り地方に暮らす方がほとんど)が支えています。そして逆に半分は、全国の企業の皆さんが応援に来てくれています。
身近に感じられるようもう少し詳しく言うと、誰かのお父さん・お母さん、若い方は友人、誰かのお子さんが働いている職場です。現在19歳になる歳の方から60代まで幅広い年代が働いている場です。

地域性から見ると、福島県の沿岸部(浜通り地方)で、これほどの人数の仕事を生み出している単体の事業者はありません。地域最大のお仕事を生む現場でもあります。

そんな視点から、今はどの様な場になったのか、それで良いのかも含めて「今」をご覧頂ければと思います。

・限定された場所・条件に限るが防護対策も不要になった

(出典:1 FOR ALL
こちらは、福島第一原子力発電所で働く人達とそのご家族向けのHPです。こちらを覗くと、現在の労働環境がどうなったかが良く分かります。


(出典:1 FOR ALL

そのWebに公開されている発電所の敷地内の構内サーベイマップ(放射線量をプロットした地図)になります。
発電所の敷地内の大部分は数マイクロシーベルト/一時間あたりになっています。1から4号機周りは事故当時に比べると大分下がりましたが、それでも高い状態は続いています。


出典:2017年7月3日 第2回 福島第一廃炉国際フォーラム 福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策の現状と今後の課題

こちらは、発電所の敷地の中で作業する場合、どのような防護装備で着れば良いか示したものになります。事故当時は敷地の全域で防護服を着て、全面マスクをしなければなりませんでした。
今では普通の作業服で歩けるエリアや、簡易的なマスク(薬局で買えるマスク)で歩けるエリアも増えてきました。

これらは作業員の皆さんがお仕事をする際の装備になります。ここで更に改善点としてお伝えしたいのが、発電所入り口周辺の状況です。


(2017年5月25日 視察時写真)
視察時の訪れた時の写真です。発電所入り口周辺は特段の防護対策は不要になっています。通勤の時、「さぁこれから現場へ行くぞ」と着いたその場は、ごく普通の風景になっています。2枚目の写真には、東京電力の方たちが使う事務所が写っています。

この事務所の隣には、協企業と呼ばれる東京電力以外の企業の皆さんが使う事務所もあります。

働く場所の環境が変わってきたのには、除染と呼ばれる放射性物質を減らす取組や、フェーシング工事(舗装処理)が大きく作用しています。放射線を出す物質を移動させて、かつ土がむき出しだった場所をアスファルトやモルタル等で固めた結果、ホコリの舞い上がりが防げるようになりました。
そして飛散防止剤と呼ばれる薬品を高線量のエリア(1から4号機原子炉建屋周り)に振りかけて、放射性物質が飛び散らないようにしていることも、大きな効果を上げています。

注目したいのは、ここは壊れた原子炉建屋1~4号機から1kmほどしか離れていないという点です。

働く人達が安心できる環境整備が進んできた


出典:2017年7月3日 第2回 福島第一廃炉国際フォーラム 福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策の現状と今後の課題

2015年5月には大型休憩所が出来ました。9階建てのこの建物には食堂とコンビニエンスストアがあります。

作業員の人達の被ばく放射線量も下がってきているのが伺えます。2017年7月現在では、0.38ミリシーベルト/一か月になっています。

ここで、尺度が必要ですね。私達は普通に暮らしていると1年間で1から2ミリシーベルト被ばくします。それに比べると高いと言えます。
もう一つ尺度を、例えば日本からNYまで飛行機で往復すると大体0.2ミリシーベルト被ばくします。(宇宙に近くなり、空からの放射線量が増えるため)
参考ですが、代表の吉川は震災前から原子力発電所で働いていました、そのころの被ばく量が月に0,2とか0,3ミリくらいでした。

色々視点を持ってみると、今福島第一原子力発電所で働く人達の放射線量被ばくは、原子力発電所労働を続けていくことが問題のない値まで下がってきています。

さて、大切なのが労働環境って皆さんが普段の暮らしでどう見ているかです。安全であることは勿論、なるべく素敵な空間(働きやすさ)を求めますよね。

違った言い方をしたら、例えばこれから社会人になる人達はこの場所を選ぶでしょうか。例えば自分のお子さんがここで働くと言ったら。

冒頭に戻れば、沢山の方が支えている場所ですし、これから何十年と続く場所でもあります。
働く人達だけでなく、私達ももっと働きやすい環境であって欲しいと願っていくことが、より労働環境の拡充に繋がっていくことになります。

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