楢葉遠隔技術開発センターを視察しました。

2016年5月12日

廃炉学習支援

試験棟学生団体リプラボVR設備試験水槽内部1/8セクター試験体さぷちゃんおよび階段モックアップ階段試験水槽

学生団体リプラボさんとご一緒に、JAEA(国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構」が運営する、楢葉遠隔技術開発センターを視察させていただきました。
楢葉遠隔技術開発センターは、研究管理棟と試験棟の2つで主に構成され、試験棟では「福島第一原発の廃止措置」に向けた技術研究がすすめられています。
 
現在、原子炉事故により溶け落ちた燃料(デブリ)取出しに向けて、想定されている課題(高線量下の基どのように取り出していくか)の技術研究フィールドとなっています。
・VR施設
研究管理棟内にあるVR施設(バーチャルリアリティ)では、2号機原子炉建屋1階及び地下が3Dで再現されています。
高線量の現場では、人間が内部調査しデブリ取出し計画を立てていくことは非常に困難です。調査した人の被ばく線量が問題になります。それをVRで補います。
4,5分ほどで仮想ですが5mSvほどの被ばくをしました。
VRは廃炉を進めるあたり被ばく線量低減、効率的計画作成のために必要となる技術といえます。
 
・圧力抑制室1/8セクター試験体
研究管理棟では、圧力抑制室の実寸大を1/8にカットした「原子炉格納容器下部実規模試験体」があります。
幅20m×奥行18m×高さ18mの大きさがあります。1/8とはいえ相当な大きさです。
原子炉に注水した冷却水がデブリと触れ、高濃度汚染水となり、格納容器と圧力抑制室をつなぐ部分から現在もれています。その止水が出来なければ、原子炉を冠水しデブリを取り出すことは難しくなります。
デブリ取出しには、この連結部分の止水が必須となるため、実寸大の模型で止水技術を確立していくために作られました。
1/8カットのとなりには、原子炉建屋1階と地下を再現したモックアップがあり(こちらも実寸大)、実際の原子炉建屋でどのようにアクセスし工事するかが今後検討されます。
   
・モックアップ階段
原子炉建屋内の調査の主役は「ロボット」です。そのロボットは調査目的に応じた機能を持ちます。
放射線量だけが調査の壁になるわけではありません。建屋内の階段は大きな障害物となっています。
階段幅や確度を任意に可変できる「モックアップ階段」を使い、ロボットの操作訓練ないし機能確認が行われます。
 
・試験用水槽
直径4.5m、高さ5.5m(水深5m)の水槽
現在の福島第一原発の1~3号機の原子炉建屋の地下は汚染水で満たされています。水中調査ロボット用に作られたものです。
原発事故が起きる前、大津波が原子炉建屋を襲っています。ですので地下には海水が含まれています。
放射線を除く、状況の再現、塩分を含む水、常温~60度の温水を再現、泥水による汚れを再現できます。
建屋外には浄化処理設備も作られています。
過酷な水中環境を作り、その中で調査ロボットがミッションを果たせるのか確認する設備です。
覗き窓があり、状況を目視しながら使うことができます。
 
・モーションキャプチャ
ロボット動作を定量的に計測することができます。飛翔ロボット(ドローン)を飛ばすことも出来ます。
 
この楢葉遠隔技術開発センターは、廃止措置に関係しなければ使ってはいけないという場所ではありません。
申し込みを行うことで、大学・企業といった機関が研究施設と使うことができます。
福島第一原発の廃炉、見方を変えれば、そこは技術チャレンジが出来る場とも言えます。
そういった意味では「ワクワク」する気持ちも有りだと思います。
 
廃炉で使われる技術は使い方次第では一般産業への転換も可能です。
例えば、ミューオン素子を使った原子炉建屋の透視技術は、エジプトのピラミッドを透視するプロジェクトへが発展したものです。
 
VRも文化保全・PRにも使うことができるでしょう。
ロボット技術の先には災害対応や果ては宇宙への発展もあるかもしれません。
そういった夢を描くことも出来る施設が、福島県双葉郡楢葉町にある。
 
視察で感じたことは大きなワクワクとともに「もったいない」です。
http://naraha.jaea.go.jp/
から、施設利用申請書がダウンロード出来ます。
 
研究施設として多いに利用されることに期待します。

この活動はYahoo!基金様よりご支援を受け、助成プロジェクト「福島第一原発の廃炉と隣り合う”ふるさと”を次世代へ託せる環境作り」の一環として行っております。

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