福島大学「開沼博」さんと共同で企画を進めています。

2015年10月2日

廃炉学習支援

開沼さんは、著書「はじめての福島学」を通して、とんでも論に包まれてしまった「福島県」を実はこうなんだよと、膨大なデータを基に明かにしてくださいました。
福島県には、そのとんでも論の元になった「福島第一原発」があります。その廃炉の現状を理解できる物が世にあるか?結論で言えば未だにありません。
開沼さんに「一緒に誰もが廃炉を正しく理解できるものを作りませんか?」とお願いにあがり、現在の共同企画に繋がっています。
写真は、その企画を通して取材に入った時の(10月2日)の写真です。
これまで行ってきた、住民の方との視察で行けなかった所にアプローチ出来ています。
久しぶりの完全防護装備に、たった2時間程度で大分辛い状態になりました。1枚目写真右側が私です。
現場で働く方のご苦労が実感出来たと共に、見たことを伝える責任を感じながら、ご案内頂いた社員の方に、元社員としての知見を用いながら取材させていただきました。
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1枚目
私もこの目で見たかった、そして伝えたかった「福島第一原発の海側」のブロックの様子です。
地下30メートルまで打ち込まれた「海側遮水壁」が並んでいます。
通常の原子力発電所では、タービン(蒸気で回転する羽車)で使用した蒸気を海水で冷やすため、この場所には「取水口」と呼ばれる海水取り入れ口があります。面影なく、遮水壁が敷き詰められた光景に、震災前を知る私にはここまでの対策が打たれたことに、驚愕を覚えました。
また、海側から見る1~4号機の現在の見た目は、爆発直後のイメージとまったく違います。
肝心の海への漏れですが、目視で判断することは出来ません。海域モニタリングの結果ですが、港湾内の汚染濃度はセシウム134,137で1リットル当たり10ベクレル未満程度になっています。これはWHO(世界保健機関)の飲料水の安全基準に相当します。
結論として言えるのは、「透明な海の中で目視で汚染水が漏れているかどうかは分かりません。ですが海側遮水壁は現状ここまで構築され、結果、飲料水レベルまでの汚染濃度に港湾は抑えられている」と言えます。
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2枚目
1~4号機の西側(山側)の様子です。
原子炉建屋周辺環境が事故当時に比べ、劇的に整然としたことが分かります。
写真左側、のり面が灰色に見えます。これはフェーシングと呼ばれる作業によるものです。モルタルが吹き付けてあります。
震災前ののり面は土がむき出しでした。TEPCOと描かれたさつきが植えられ、とても綺麗なのり面だった事を覚えています。
フェーシングは土を削り、その上をモルタル(斜面は)で覆います。これにより雨水が地下へ浸透することを防ぎ、かつ除染の効果もあり、作業員の方々の被ばく線量が低減します。
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3枚目、4枚目
現場の被ばく管理として使われているものです。
作業エリアごとに「モニタリングポスト」が置かれています。作業される方が、自分が作業するエリアでどの程度の被ばくするかが分かるようになっています。
現場に置かれたモニタリングポストのデータは、電波は配信され、4枚目の写真のように、誰もが見える場所に掲示されます。
タッチパネル式ですので、ポイントをタッチすることでより詳細なデータが確認できるようになっています。
原発の危険性、これを訴えるために「福島第一原発事故」はよく扱われます。しかし現在ここまで変わっている、改善されているは、ほとんど世に伝わりません。
いわき市で「さんま」が水揚げされました。
飲料水レベルまで抑えることが出来ていること。これが伝わらぬ状態で「水揚げされた!よかった!」では砂上の楼閣です。
廃炉を見つめ続ける、生活の視点で廃炉を知る、伝える
「廃炉に関わることをタブー視」すれば、自ずと私達の生活に振り返ってきます。
ずさんな被ばく管理だと決めつければ、それは優秀な作業員の方々を確保することも困難です。
廃炉現場をタブー視せず、関わり続けることで、こんな改善もあってはと初めて言えるのではないでしょうか
将来の浜通りの子供達は少なからず、福島第一原発で働くことになります。
彼らが働き易い現場になるためには、外部が働く環境を知り、よりよくなるよう提言していくことが必要です。
この企画を通して、より現場の実情を皆さんに伝わるようにします。どのような媒体で伝えるか、詳細が決まりましたら追ってご連絡します。
開沼博さんとAFWとの共同企画、ご期待ください!
本当に誰でも分かる「廃炉の現状」を目指して取材中です。

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