汚染水タンク漏えいが防げない理由

2013年8月24日

その他

汚染水タンクからの漏えいについて

汚染水タンクから漏えいを起こす不祥事問題の根本原因は何か
これを議論し解決していかなくては今後も同様の汚染水タンクからの漏れは止まらない。
情報を集めた限り、この点に追及しているメディアは皆無であり、国も県も遺憾の意を表明し又も「しっかりやってもらいたい」と東電まかせの姿勢を変えようともしない。

私は元東京電力社員時代、設備としては違うものの放射性廃液タンクの管理を行っていたので、その経験を基に根本原因を指摘する。

通産省令第62号「発電用原子力発電設備に関する技術基準を定める省令」の中に放射性廃液を扱う設備については、その漏えいを検知する機能を持たせる事が義務付けられている。

前回、今回と続く汚染水タンクからの漏えいは起きた後に現地を見た人間により発覚している。つまり事が起きた時に検知出来ずにいる。
なぜか、漏えい検知機能が汚染水タンクについていない為だ。
通常、タンク本体の液位変動を知る為に液位計(背圧式、超音波式)が設置される。それに警報機能もついている。また、漏えいした際に警報を発生させる為に堰の内側に電極式の漏えい検出器もついている。
しかしそれらがないのだ。

また、同省令において放射性廃液を扱う設備は公衆に影響を及ぼさないように建物内に施設する事となっている。
これも汚染水タンクは守られていない。

これでは、省令違反になるが実は福島第一原発は原発事故後、国から同省令の適用を免除されている。
その本質は事故当時一刻を争う状況において、省令を守っていては現場の対応が迅速に行えないからだ。また破壊された原発施設は守ることも今は出来ない。
事故後から政府が発表した収束宣言までの間は、まさに省令など守ってはいられない状況であり納得のいくところではある。

しかしそれは利便性の問題についての、致し方なしの処方であり、放射能廃液を扱うのであれば本来あるべき姿は「出来るタイミングで迅速に省令に準じた設備を講じる」である。

今回の汚染水タンクからの漏えいが防げた可能性は多いにある。
一つは現場重視の考えから発生した省令免除について、東京電力はあまりに自分達に都合よく解釈していた。
法の縛りがなければ、自分達の都合のタイミングで対策を行うといった点だ。
タンク増設は急務の面は否めない、しかし放射能廃液を絶対に漏らさないという理念から生まれた省令の本質を理解していれば、免除はされても自発的に液位計及び漏えい検出器をつけるべきだった。また、タンクを覆う建屋を作るべきだった。
規制側も現地視察までしているにも関わらず、その問題について見て見ぬふりをしていた責任も大きい。本来是正を促す立場が見過ごしていたといえる。

いつまでも放射能廃液を有する設備がむき出しで設置されていることが実は大変な異常事態だということを認識して頂きたい。これらが建屋内であったら公衆への被害は防げたはずである。

今回の問題について、国と東電の責任は五分と五分である。
省令をいつまでも免除していた国
それを都合よく解釈し続けた東電

今後、汚染水タンクからの公衆への漏えいを防ぐには、汚染水タンクについて省令に準ずる設備の設置を義務つけることである。

この国のメディアも専門家も叩く事にやっきになるのはいいが、何が問題かを取り上げなくては意味がない。

そして規制、監視の立場にある人間達はもっと設備と法令の勉強をするべきだ。
徒党を組んで現地を見にいき、検討違いの指摘で帰ってくる。

これではいつまで経っても何も変わりはしない。

放射性廃液を扱うタンクと省令との関わりを熟知した人間が東電社内にも少ない事も問題として挙げておく。
縦割りの建屋設備毎のグループで何十年も運営していたことが今になってひびいているのではないか
原子力規制委員会側にも熟知した人間は限られているだろう

原子力発電所が個々の熟知した人間達の集団において運営されている事
これこそが私が言う、現地を熟知した人間を守らないといけないという事につながっている。

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