原発作業員の方とお話しをして

2013年10月10日

その他

今日はいわき市で福島原発で働き続けている方とお食事をしました。

現地の働く人達の実情を聞かせて頂くためです。
元々知り合いの方だったので、近況報告も兼ねてですが。

実感するのが作業員の移り変わりです。
人集めに大変苦慮されています。

私が何度も取り上げるように、元々いた原発経験の長い作業員の方々は続々と辞めていっています。
その穴を埋めるために入る人材は原発作業経験のない方々です。

言うまでもなく、放射性廃棄物を扱う作業の不慣れにより現場を任せられるような人達の割合が増えています。
それが私が思っていたよりも現在は加速しているそうです。

例として頂いたのが、5人の作業員がいて、それぞれ別会社の人間達といったことがあると伺いました。

私がいた頃(一年前)になりますが、原発作業員の移り変わりはあれども
ここまで酷いことはありませんでした。
最低でも作業を行う班、これを単位としたら班を構成するメンバーは同じ会社の人間です。

非常に重要な問題です。それは意思疎通が図られないから。
想像してみてください。例えば今まで会ったことのないメンバーで何ができるでしょう。言いたいことも言えない。分からない事を聞けない。
皆さんも今までの人生でそういった経験をされた事はあるはずです。

どうしてこんな事になってしまうか
原因は今の福島原発で誰も働きたくないのです。
労働の過酷さは勿論のこと、通勤にかかる時間が長すぎること、貰える給料の低さ、社会的な労働現場として底辺といった扱い
作業員を集めるには短すぎる工事期間

仕事の選択先として、選ばれない理由が多すぎるのが原因です。

そして忘れてならないのが、元々の作業員達が将来的に安定して働いていけるほどの仕事量が原発にないため、別産業へシフトしている問題です。

あれだけの問題しかない現場ですが、原発が動いていた頃(震災前)に比べれば仕事量としては、感覚的な感想を頂きましたが2~3割程度だそうです。
元々の原発作業員を確保しておける仕事量がないのも大きな原因となっています。

整理すると
1.原発労働が金銭的うまみがない、労働現場として過酷
  通勤環境の是正といった初歩インフラですら解決されていない
2.長期的で安定した雇用先となっていない

この問題の解決には、東京電力の発電所の仕事の在り方を変えるだけでは不可能だと思います。

「安心して継続して働いていける」この言葉の中には、初歩的に仕事量の問題があります。
原発労働者は福島原発だけでも数千人といったオーダーです。
震災前から仕事量は原発だけではなく、一般産業や火力発電所といった所で補っていましたが、まったく足りていません。

原発労働者が簡単にシフトできる産業の創造が労働者を守るといった事に必要になっています。

福島という産業的に過疎化した地域が負担できる物ではありません。

改めてつくづく思うのが、原子力という産業が周辺市町村とうまく共存できていたからこそ成り立っていたということです。
今はその周辺市町村が「人が住んでいない」それは、原発を除く仕事量が皆無ということを指しています。

私が一つ具体的改善案を出すならば、せめて福島原発の発電所内の仕事を長いスパンで発注するということ。
工事の規模になりますが、通常は1カ月以内から3カ月といった短いものです。
しかし細かい仕事を統合し工事期間とすれば1年といったオーダーで発注することができ多少の改善はできると思います。

工事期間が延びるほど工事費は管理費が増えるため上がってしまいます。
工事期間ほど簡単に行えるコストダウンはありません。
言わば無駄な経費ともいえる所です。
しかし労働者を守るという事に関しては寄与します。
こういったコストの増え方は、いくら東京電力へのお金が国民の税金とはいえ、理解を頂けるはずです。

現在の原発未経験者も長期的に育てていけば熟練者となります。
その為の投資としては十分理屈は通ると思います。

付け焼刃のようなやり方を進めつつ、仕事量の穴を埋めるため新たな産業を創造する。これがベターかなと。

皆さんが認識して頂きたいのは、現地の原発作業のプロが減りつつあるという事ではなく激減している事実です。

原発作業員=技術者です。これを仕組み的に支えていくことが緊急を要する課題となってしまっています。

こういった問題は企業レベルで解決できることではありません。
正に国が主導のもと進めていかなければ出来ないことです。

政治家の方にこそ聞いて頂きたいお話しです。
ですが、皆さんも危機感の共有という意味で知っておいて頂きたいと思います。

活動一覧はこちら