福島第一4号機燃料取出しについて

2013年11月8日

その他

福島第一原子力発電所
4号機の燃料取り出し作業が始まろうとしています。

1500本を超える燃料集合体を4号機使用済み燃料プールから、福島第一原子力発電所内共用プールへ移送する作業は1年間という長い期間での作業になります。

どの記事を拝見しても書いてあることですが、燃料集合体を破損した状態で自ら出せば、致死量に相当する放射線をだす、潜在的に非常にリスクの高い作業です。

この作業のリスクとしては、燃料プール内にある瓦礫が抜出作業中にかじりを生み、燃料集合体に傷をつけてしまうことと、キャスクと言われる燃料集合体を保管する入れ物を運搬している際に地震が来ることです。

瓦礫については、大型の瓦礫の撤去は済んでいる状態です。
燃料プールの映像が公開され、作業内容についてはTVの特集である程度詳しく報道されました。
モックアップと呼ばれる、細かい瓦礫までも再現した実物大の訓練施設で実際に作業される方々が日々訓練に明け暮れています。
まずは細かい瓦礫の撤去がなされた上で慎重な取り出しが始まります。

地震への対策も打たれています。燃料取り出し装置自体に巨大なばねを取り付けています。揺れを緩和する装置です。
キャスクをトレーナーに移す際には、これは慎重に行うしかありませんが
仮に落とした場合でもキャスクは衝撃性に優れ、凹むことはあっても中の燃料が破損したり、露出する構造になっていません。
落下試験等も当然行われています。

私は4号機の燃料取り出しが安全な作業だと言っているのではありません。事実として、対策は打たれているということです。
原子力を知らない皆さんが想像するリスクについて、現地のまさに最前線にいる人間達は想像していないと思いますか
危険性については、彼らほど知っている人間はおらず、万が一の時犠牲になるのは彼ら本人なのですから。

燃料取り出し自体は、頻度は多くありませんが全国の原発で行われていて
ノウハウが蓄積されています。

今回違うのは、瓦礫があることと、自動制御で本来行うものが瓦礫の問題により作業員が目視で確認し、一つ一つ人間の判断で行うことです。
通常ならば、取り出し位置を自動で合わせます。燃料集合体の上に垂直に取り出し装置が自動で合うようになっています。
それが今回出来ない。瓦礫があるからです。

燃料は垂直に取り出さないと、燃料プール内の格子に引っかかる恐れがあります。すると燃料が傷がつく可能性があります。
それに自動だと引っかかりといった異常があれば、自動で止まります。
警報もでます。しかし今回は、それを人間の判断でやらなければいけません。非常に人の力に頼った部分が多いのが問題です。

雑誌の記事等を拝見すると、危険性についてスキャンダルに報道したいのか条件を無視した報道がなされています。
東日本が壊滅するといった表現を見ますが、それは言い過ぎといってもよいでしょう。
1500本全てが傷がついて、かつ全て水から露出させる。そしてそれを空中散布して拡散させるぐらいの事をすれば、起きるでしょうが。

1本ずつの作業、水中での作業、キャスクに入った後はキャスク強度自体に強固に守られている。そして潜在的リスクに対して、忠実に再現した模擬原子炉で訓練を行っている。
最近では海外からの技術協力が入る報道がありました。
万が一の避難訓練も始まっています。

何度も言いますが、潜在的リスクは非常に高く、危険で長丁場の作業です。

今回この話題に触れたのは、反原発運動を進める材料、ネタのように扱われている記事が散見されているからです。
その中には、現場での対策すら取り上げず、原発を知らない人達の推論を根拠として、また取り上げた推論を展開している記事が大変多いです。
結果、半端な情報だけで分かった気持になってしまった方々が、あらぬ方向へ批判の目を向けてしまっています。
そしてそれが真実のように広まっています。

私は、福島原発の危険な実情を知る一端として扱って欲しいと思っています。それはそこで働く人達へ意識を向けることとなりますから。

原発情報を得て、それを広めるのも良い事だと思います。
ですが自分の原発への思いの為だけに利用してはいないでしょうか。
福島原発でのトラブルは身近な問題です。生活にも直結します。
どの記事のコメント、シェアに添付したコメントを読んでも、中々そこで働く人達を思う言葉は見つかりません。

記事を書く方もまたしかりです。

それほど危険な作業だと認識があるのであれば、そこで働く人達を守ろうという気持ちが自然とわくはずなのに。

現在の作業員の方々の待遇が劣悪なのは、東京電力、政府の責任もありますが、想像力の欠けた私達の責任でもあります。

作業員の方々に任せっきりにしているのは私達も同じです。
そして彼らに比べれば安全な場所で恵まれた環境で無視していると言ってもいい状態です。

私はこの4号機の燃料取り出しの話題が、現地の方々を思うきっかけになって欲しいと切実に思います。

あらやる対策を打っても、非常にリスクの高い、この日本を守る作業が始まるのですから。

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