構内改善では進まぬ収束(福島第一原発)

2013年11月12日

その他

福島第一原子力発電所の中だけの改善では作業員の方々を救うことは出来ません。原発事故被災地の復興は不可欠です。

皆さんはどうしても原発内の事に目が行きがちだと思います。
それも正しい事ですが、部分的に理解しているというのが実情です。

専門家の皆さんも取り上げることがないので、私の方で説明させて頂きます。

原発事故により現在、福島第一原発を中心として半径20kmは人が住む事が許されていません。飯館村、浪江町津島地区などは距離があるものの
当日の風の影響により、20km圏内と同じ扱いになっています。

作業員の方々が仕事を終え、帰る場所は周辺自治体の町となります。
代表される、南相馬市、川内村、広野町、いわき市といった自治体です。
それらは例外なく原発事故からの復興が進んでいません。

一見町は着々と復興が進んでいるように見えます。しかしそれは震災以前の町の風景、風土、を知らない人達から見ればです。
原発事故の影響の度合いは日に日に風化している事が、今も問題が続いていることをあぶりだしません。

本来であれば、福島第一原発の収束作業は国をあげての事業です。
当然周辺自治体は特需とも呼ばれるほどの繁栄が起きるはずです。

ですが、現実は人は遠のき、戻ることも少なく、そして原発で働く人達は邪魔な存在のように扱われています。

そんな扱いを受けるには複数の事情があります。

一つは作り上げてしまったそこで働く人達のイメージです。
作業服を着る彼らは見た目だけでも正に労働者で、一見怖いと抱いてしまいます。それに付け加え、放射能汚染しているといった誤った認識により敬遠されてしまいます。
匿名で報道される彼らは顔も見えない存在として扱われていることもあります。

そして周辺自治体そのものが被災地です。進まぬ復興により苛立ちが、なぜ自分達を取り上げずに原発で働く人達ばかりを取り上げるのだと言った
考えが、根強くあります。

簡単に言えば、周辺自治体に作業員の方を受け入れる基盤が整っていないということです。

この原因は進まぬ原発事故被災地の復興と原発に依存していなかった自治体の無理解があります。

作業員の方々が満足な居住環境を得られないのも、賃貸住宅が原発事故による避難者が優先される背景があります。そして絶対量が足りていません。
物量として賃貸住宅が原発事故避難者と原発作業員をまかなえていないのです。

そして風土が構築されていません。それは原発で働く人達を理解し受け入れるといったものです。これは双葉町、大熊町でも何十年という長いスパンをかけて築いてきたものです。震災前を例にとれば、原発で働くことは何も偏見を受けない社会が出来上がっていました。

全国の原発例外なく言えることは、原発立地町村は作業員の方々を受け入れる基盤が整っており、受け入れる風土があります。
原子力産業とは管轄する電力会社、そこで働く人達だけで保たれているものではなく、そこで働く人達を受け入れる町の機能に大きく依存しているのです。

この基盤は原発に依存している町では自然と構築されるものです。
しかし、ちょっと離れればそれは大変難しいものです。
長い時間をかけて徐々に出来上っていきます。

福島第一原発では、前述の通り、原発で働く人達が暮らす町が失われました。そしてその機能は強制的に原発周辺自治体に隣接する自治体にシフトされています。

何度も言いますが、そこはまぎれもなく被災地であり、復興も進んでいません。

原発で働く人達を救うには、福島第一原発構内だけで考えてはいけないということに繋がります。

原発事故による大ダメージを受けた被災地の復興と福島原発収束は密接に関係しています。

キーパーソンとしての作業員の方々が両方に関わっているのですから。

広野町はJビレッジがあります。収束の最前線基地です。
その広野町の住民が2割しか帰らず、そして町にはコンビニが数件あるだけの町になっています。ただスーパーすらない有様。
病院も個人経営のものが2件、どちらも院長先生お一人しかいません。
昼間は作業員の方々の往来で一見町は活気づいていますが、夜になれば家の電気もまばらな状況です。
町を歩いている人も殆どいません。

これが現実なんです。復興が進んでいると誰が言おうが現実は違います。
進まぬ状態が2年半も続き、将来は過疎化が進み町としての姿を保てるのか不安になる状態です。

被災地の復興なくしては廃炉はありません。

希望的観測でも40年以上かかります。
間違いなく次世代に引き継がざる負えないものなんです。
一刻も早い復興と作業員の方々を受け入れる基盤を作ることが必要です。

この問題に対しては、東京電力だけでは解決できるものではありません。
国が全面に出て、自治体と協同で進めていく問題です。

国が全面に出るのは、何も発電所敷地内の事だけではないのです。

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