汚染水タンク堰からの漏えいについて

2013年12月22日

その他

汚染水タンクのトラブルがニュースで報じられています。

21日に1か所、22日に2か所、計3か所の漏えいが発見されました。

貯めている汚染水の濃度に比べ検出されるストロンチウムの少なさから、
堰内にとどめて置いた雨水が構内で今も続く大気汚染による影響で汚染している物と推測されます。

この問題がニュースで簡単に報じられる状況に大変憤慨しております。

現地社員、作業員の方々のご苦労を考えると否定的な文章を書くことは、はばかれる気持ちになりますが、問題をそのままにする傍観する事は一般の皆様への裏切りと考え記事を書きます

まず今後の続報を待つところですが、施工不良の疑いはないか?という事です。
請け負った企業はどこなのか?これも本来明確にする必要があります。基礎がもし施工不良であったのであれば、それは東京電力の監督責任を超え施工した企業に本質的問題があります。

次に確認したいのが、発注段階での仕様の間違いはないかという事、これに関しては東京電力に全責任があります。

それと、堰内に雨水をためておくやり方をなぜ国と福島県は黙認しているのかという事です。
明らかにされずとも過去の経緯から、雨水自体は放射能を含んでいなくても堰内に貯めることから汚染されることは、過去の堰内雨水が汚染していたことの結果から容易に想像がつくことです。

堰内雨水を漏えいさせた責任は東京電力にありますが、汚染した雨水を堰内で保管するやり方を黙認していた、国、原子力規制庁、そして言いたくありませんが福島県庁も同様に責任があります。

また、本来の堰の役割はタンクからの漏えいを外部に漏らさずブロックするものです。
そこに雨水を貯めておくこと自体が使用目的に外れていることを認識しなくてはいけません。

この問題を根本解決するには、汚染水タンクを建屋で覆うことが必要です。
放射能廃液を内包するタンクが雨ざらしにされている異常さを誰も指摘し改善させないことが根本原因です。

通産省令第62条「原子力発電設備に関わる技術基準」において放射能廃液を内包するタンクは建屋内にあること、そしてそれが漏えいした事が分かる検出器機能を持たせること。堰内に漏えいした場合、自動で検出しかつ移送出来る機能を持つことが要求されています。

福島第一原発を除く全国の原発で守られています。

福島原発はなぜ守らなくてよいか
それは今も非常事態宣言中だからです。
これは国の了承を得ているものです。

福島原発が非常事態中である。
私も激しく同意します。
しかし、表向きはアンダーコントロールされていると言います。

非常事態中だから守れないが本質で、実際は非常事態宣言中を理由に守らなくてよいになっているのが実情です。

汚染水タンクの増設が急務であった時代、ほんの一年前ですが、それは緊急事態ですから、法令を超えた現場作業が優先されるべきです。
しかし現在はある程度落ち着いています。
そうした段階では事業者(東京電力)はコスト度外視で法令要求に自主的に答える必要があります。

原子力に関わる法令は原子力電力社員とそれに関わる規制側しか知りません。
言わなきゃばれないでは困るのです。

私は本職がこの放射性廃液の保守管理でしたから、東電社員の中でも限られた放射性廃液法令に明るい人間だから出来る指摘です。

汚染水タンクの実情を東電発表をそのまま報じる報道機関に、大変な勉強不足を感じています。

こうやって書くと大変な問題だと思われるでしょうが、最後に皆さんに思い出して欲しことがあります。

福島原発は水素爆発とメルトダウンした原子力発電所です。
当然敷地内は常軌を逸した汚染をしています。

雨が降りました。
堰内の雨水だけが汚染しているとお思いですか?
当たり前に敷地内に出来た水たまりは全部汚染しています。

堰の周りの水たまり、測定していませんし公表されませんが、堰内の水と同様の汚染をしています。

汚染された水が堰から漏れた
大きな問題ですが、漏れようが漏れまいが、漏れた場所の水たまりも同様に汚染しているのですから、水が移動したに過ぎません。

震災から2年9カ月、雨が降るたんびに雨水は汚染され、土中にしみこんでいるのです。

本当の問題は、汚染水の管理がなっていない事なんです。

外部できちんと指摘出来る人間がいないから、いつまでたってもレベルの低い管理方法がまかり通ってしまう。

そしてそれを当たり前に感じてしまう事が問題です。

汚染水タンクの周りに堰を設けて、しかもそれをかさ上げし雨水をためている。
それをなぜやっているかも書いておきます。

一つは今も続く地下水の流入によりタービン建屋地下と洞道に溜まる高濃度放射性廃液(通称汚染水)の増量を止める手段がないこと。

仕方がないので汲み上げ、地上の汚染水タンクに移送していますが汚染水タンクの容量が追い付かないこと。

堰内に溜まった雨水は「設備内廃液」となり、例え堰外の水たまりと同程度の汚染であっても、飲料水レベルの基準値が適用され、構内に捨てることすら許されず、タービン建屋地下に際移送し汚染水を増やすことになってしまう事。

急場しのぎで作ったタンクが施工不良と耐久不足が発覚し今後使えないこと

そういった汚染水の行き場のない、やりくりの中生まれたのが、堰内に保管するといったやり方なんです。

攻めどころは、進まぬ汚染水処理の実情なんです。

このやり方に問題は多々ありますが、これしかやり方がないのが現場の実情です。
もしこれをやめれば、タービン建屋地下と洞道に汚染水が過剰に溜まり、溢れることにより、超高濃度汚染水が海へ放出される事になります。

それだけは絶対に防ぐ必要があります。

皆さん、忘れないでください。
今もかなり逼迫した状況で汚染水対処をしています。

堰から漏れたことを叩くことを否定しませんが、それの背後にはもっと恐ろしい末路が隠れています。

それを防ぐ為に現地社員と作業員の方々が奮闘し、これ程度で済んでいるともいえる状況です。

最低でも覚えて頂きたいのは、汚染水処理は今もぎりぎりの綱渡り状態で保管していること。

汚染水タンクが建屋で覆われるまでは、この手のトラブルは永久に続くこと。

建屋で覆われていない事は本来法令違反であることです。

じゃあさっさと建屋を作ればよいのでは?
これも理由があるのです。

汚染水タンクを一刻も早く建てる必要があったため、膨大な数のタンクが出来ました。
その為、後で建屋を建てるための重機を入れるスペースがなくなったのです。
それに超重量の建屋に耐えられる基礎地盤になっていません。
やりたくても出来ないのです。
これは完全な東京電力の落ち度です。
非常事態宣言中だから、法令を守る必要がないという考えがどこかで根底にあったからと推測できます。

現在は雨どいをつける対策をとっています。しかしそれはシートで雨水を堰外に導く応急処置で60%ほどの雨水しか排除できません。
堰のかさ上げも鉄板で上げただけです。
いつ水圧に耐えられず漏れるか分かりません。
普通やりません。急場しのぎです。

今この問題を再燃する事も当然必要でしょうが、私がお願いしたいのは
狭い重機スペースでも大型の建屋を建てれる技術はどこかにないかといった事です。

これが本当の技術支援ではないでしょうか?

世にごまんといる自称原発専門家の方々、なぜ指摘しないのですか?
肩書きは飾りではありませんか?

堰から漏れても、周辺水たまりと同様の汚染ですから問題にならないのでしょうか?

掘り下げれば本質的な問題が浮き彫りになります。

もっと問題にすべきは処理が進まぬ汚染水の実情のはずです。

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