はじめに 1号機 2号機 3号機 4号機 汚染水対策 廃棄物対策 労働環境 コラム

2号機


(出典:東京電力ホールディングス㈱ 動画・写真ライブラリー)
こちらの写真は、事故当時(2011年3月15日撮影)の福島第一原子力発電所1~4号機の原子炉建屋になります。
手前から2つ目の青色の建物が2号機の原子炉建屋になります。

この状況から始まった2号機が現在どう変わったのか。お届けいたします。

おさえておきたいポイント

(福島第一原子力発電所視察者向け資料9月版より引用)

1.水素爆発に至っていない号機

2号機は閉止パネルと呼ばれる建屋上部にあるパネルが、1号機の水素爆発の衝撃に開きました。水素は軽い気体ですから、このパネルが開いたことに大気中に逃れ、1,3,4号機のような爆発事故には至りませんでした。元々の1から4号機の原子炉建屋の姿を残している唯一の号機です。
2013年3月11日にこのパネルは塞がれました。これにより2号機は燃料溶融に至りましたが、1,3,4号機の原子炉建屋に比べ、放射線を出す物質(放射性物質)の封じ込めが効いている状態です。

1,3,4号機に比べて、事故の程度低く廃炉にし易い号機の様に見えますが、大きな課題があります。それは爆発していないからこそ建屋内に放射性物質は多く残り、他の号機に比べ建屋内放射線量が高いことです。
また、解体作業を行うという事は、わざわざ封じ込められている建物を壊すという事になります。他の号機は大型クレーン等を用いて上部から解体を進めていますが、2号機については慎重なアプローチが計画されています。

2.原子炉内の燃料は溶融した
2号機の原子炉内の燃料冷却不能に至った経緯は、1,3号機と同様に津波により原子炉を冷却する設備が水没し、冷却不能が続いたことが要因です。溶けた燃料は原子炉圧力容器に大部分が残っていることが分かってきました。原子炉圧力容器を溶かし、その周りを覆う原子炉格納容器の底に至りましたが、基礎部分の上部に一部が落ちた所で止まっていると推定されています

サブドレンポンプと呼ばれる建屋近傍の井戸の放射性物質の汚染度は、ND~数百ベクレル/リットル(Cs124)程度になっており、溶け落ちた燃料に触れた水が数千万ベクレル/リットル(Cs134)であることから、建屋基礎を貫通し地下水脈に至っていないことを裏付けています。

原子炉内の核燃料は、溶ける際に水ージルコニウム反応という現象を起こし水素を発生します。その水素が大量に充満しましたが、前述の通り、閉止パネルが開いたことから水素が大気へ放出され、爆発には至っていません。

3.使用済み燃料プールの燃料は守られた
2号機の使用済み燃料プールには、これまで発電で使ってきた核燃料の集合体が615体あります。事故によりこの燃料プールの水が抜けることはなく、水中にて燃料の保管が続いています。


(2017年5月25日 視察時写真)

1.建屋上部の解体に向けて準備中
現在、2号機は使用済み燃料プール内の使用済み燃料の取り出しに向けて、建屋上部の解体に向けて準備が進められています。

事故当時の写真と現在の写真で大きな違いは、原子炉建屋に大きな架台が出来たことです。その上には前室と呼ばれる部屋が作られました。

まずはこの前室の中で、2号機建屋の最上階(架台の上部面が最上階の高さに相当します)に入るための穴を空けていくことになります。壁の向こうには、オペレーティングフロアと呼ばれるフロアが広がっています。

建屋内の設備は現存していますが、6年半以上の時が過ぎ、また建屋の中は高線量です。使用済み燃料を取り出すための既存設備は使えない可能性が高く、新たな設備を設置することが必要だと推定されます。

どの様な方法で仕様済み燃料を取り出していくのか。それを検討するための調査を進めるための前準備中といったところになります。

2.溶け落ちた燃料について

(出典:福島第一原子力発電所視察者向け資料9月版)

現在、2号機の溶け落ちた燃料は、原子炉圧力容器の上部から汚染水(建屋内滞留水)を浄化処理した物をリサイクルする形でかけ流しで冷やすことが出来ています。
事故当時の燃料が持つエネルギー(熱量)からは1万分の1程度にエネルギーは減少し(100KWほどと推定されています)、1時間当たり約2.8m³ほどの水で冷やし、原子炉下部の空間温度で約30℃くらいに保てている状況です。
身近な表現でいけば、家庭用の電子レンジが100個ほど常に動いている熱量を、1時間あたりで2.8m³ほどの容積をもつ水槽をいっぱいに出来る水量(家庭用の蛇口から出る水量程度)で冷やしているとも言えます。

溶け落ちた燃料の取り出しに向けて、現在はまずは状態の調査が進められています。事故当時近づくことすら困難だった場所は、原子炉格納容器の内側に調査用ロボットが投入されました。

ニュースでも大きく報じられた2号機原子炉下部の状態。これまで燃料は溶け落ちていると推定されていたものが、初めて目視で確認できました。原子炉下部のグレーチングと呼ばれる鋼材で出来た点検用足場が溶けている様子が確認できました。

原子炉格納容器内が数百シーベルト/毎時が報道されましたが、通常運転停止直後の核燃料の表面の線量は130,000シーベルト/毎時くらいと推定されています。

格納容器を周りはコンクリートで覆われ、また建屋で覆われています。高い放射線量はこれからの作業には、大きな障壁(調査用ロボットの故障を招きますし、働く人の安全管理はとても重要)ですが、私達生活者圏に影響を及ぼすものではありません。

溶け落ちた核燃料の行方や損傷個所への更なる調査が今後進められていきます。こちらリンク先ではカメラ投入時の動画について見ることが出来ます。

2号機の現状を整理すれば、溶け落ちた燃料については今は状態の確認中、使用済み燃料については取り出しに向けては、まずは建屋最上階の調査を進めていき、検討中の段階です。

はじめに 1号機 2号機 3号機 4号機 汚染水対策 廃棄物対策 労働環境 コラム