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1号機


(東京電力ホールディングス㈱ 動画・写真ライブラリーから引用)
こちらの写真は、事故当時(2011年3月12日撮影)の福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋になります。

この状況から始まった1号機が現在どう変わったのか。お届けいたします。

おさえておきたいポイント

(福島第一原子力発電所視察者向け資料9月版より引用)
1.建屋の水素爆発と原子炉内の燃料溶融
1号機は津波により原子炉を冷却する設備が水没し、冷却不能が続き燃料溶融に至りました。溶けた燃料は原子炉圧力容器を溶かし、その周りを覆う原子炉格納容器の底に至り、基礎部分のコンクリートを数十センチほど溶かした所で止まっていると推定されています

サブドレンポンプと呼ばれる建屋近傍の井戸の放射性物質の汚染度は、ND~数百ベクレル/リットル(Cs124)程度になっており、溶け落ちた燃料に触れた水が数千万ベクレル/リットル(Cs134)であることから、建屋基礎を貫通し地下水脈に至っていないことを裏付けています。

原子炉内の核燃料は、溶ける際に水ージルコニウム反応という現象を起こし水素を発生します。その水素が大量に充満し何等かの要因で引火し爆発しました。
建屋上部の損傷が激しいのは、水素が軽い気体だからです。

2.封じ込め機能の喪失
建屋そのものは、放射性物質を外に出さない「封じ込め」という機能を持っている一番外側の構造体になります。核燃料の溶融により、大量の放射線を出す物質(放射性物質)が生み出されました。それらが水素爆発により大気中に飛散しました。
 建屋が壊れている=大気中への封じ込めが出来ていないという状態を指します。

3.使用済み燃料プールの燃料は守られた
1号機の使用済み燃料プールには、これまで発電で使ってきた核燃料の集合体が392体あります。事故によりこの燃料プールの水が抜けることはなく、水中にて燃料の保管が続いています。

現在の状況

(2017年5月25日 視察時写真)
1.建屋上部の瓦礫の解体中
現在、1号機は使用済み燃料プール内の使用済み燃料を取り出しに向けて、建屋上部の解体が進められています。大型瓦礫については高さ100mを超える大型クレーンを用い、細かい瓦礫については掃除機と同じ様に吸い取りながら進めています。

写真の右側に見える大型の瓦礫(設備)は、天井クレーンと呼ばれる使用済み燃料プール内の燃料を取り出す際に使われる設備の残骸です。

これらの瓦礫類が撤去されると、取り出しカバーと呼ばれる核燃料を取り出すための設備の設置が始められることになります。

2.溶け落ちた燃料について

(福島第一原子力発電所視察者向け資料9月版より引用)

現在、1号機の溶け落ちた燃料は、原子炉圧力容器の上部から汚染水(建屋内滞留水)を浄化処理した物をリサイクルする形でかけ流しで冷やすことが出来ています。
事故当時の燃料が持つエネルギー(熱量)からは1万分の1程度にエネルギーは減少し(100KWほどと推定されています)、1時間当たり約2.8m³ほどの水で冷やし、原子炉下部の空間温度で約30℃くらいに保てている状況です。
身近な表現でいけば、家庭用の電子レンジが100個ほど常に動いている熱量を、1時間あたりで2.8m³ほどの容積をもつ水槽をいっぱいに出来る水量(家庭用の蛇口から出る水量程度)で冷やしているとも言えます。

溶け落ちた燃料の取り出しに向けて、現在はまずは状態の調査が進められています。事故当時近づくことすら困難だった場所は、原子炉格納容器の内側に調査用ロボットが投入されました。溶け落ちた核燃料の行方や損傷個所への更なる調査が今後進められていきます。
こちらリンク先ではカメラ投入時の動画について見ることが出来ます。

1号機の現状を整理すれば、溶け落ちた燃料については今は状態の確認中、使用済み燃料については取り出しに向けて瓦礫の撤去中であることが伺えます。

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